ロナウドの移籍
ー移籍現実味ー
クリスティアーノ・ロナウドの移籍が盛り上がっている。
キエフでの優勝後のインタビューで本人が「マドリーでは幸せだった」と移籍をほのめかす発言をしてから一気に過熱している。
ロナウドの移籍は毎年の恒例行事となっていて「また今年もか」と結局残るのはわかっていたから楽しみながらみていたが今回はどうも様相が違う。
ペレスとホセ・アンヘル・サンチェスGMとロナウドの代理人メンデスが会談を行い、具体的にクラブ側が条件を提示し、受け入れられないなら移籍先をみつけてくださいとの報道が表にでている。
昨年までは、「ロナウドは残る」といったコメントしか表にでてこなかったので、真剣に経営陣は放出に向けた下地をつくっている印象を受ける。
ー選手としてブランドとしてのロナウドー
ロナウドは今年で34歳になる。一般的にサッカー選手のキャリアは25歳と短命である。この年齢になっても異次元の活躍をトップレベルで続けるのは日々のハードなトレーニングの賜物だろう。
誰しも体の衰えに伴うキャリアの終わりはいつかやってくる。34歳は一般社会ではまだまだ若いが、サッカー選手としては老体だ。
選手本人は、先日のEL Chiringuitoのインタビューで「40歳まで続けたい」と言っていたが、彼があと5年もマドリーで続けられる肉体をキープするのは至難の技だ。
どこかで「売るタイミング」がやってくる。クラブはマドリーで引退してもらうのか、今売って巨額の移籍金を得るのか?どちらかを決断する時期にきている。
選手としてははっきりと売る時期だが、マーケティングの面では放出するメリットはない。ロナウドのブランド力はサッカー選手のなかではトップであるうえ、世界中のスポーツ選手のなかでもトップクラスだ。
在籍9年間で、レアルマドリードの価値向上に最も貢献したといっても過言ではない。
選手としてのロナウド、ブランドとしてのロナウド。両方を天秤にかけたときにどちらを考慮するのか。
選手としてのロナウドの代わりはおらずブランドとしてもいない。
彼と同じ影響力をもつ選手はメッシくらいだ。残念ながらメッシはバルセロナの選手だから獲得はできない。
ネイマールはロナウドとメッシにはなれないが、近いところまではきている。
そうなると、今が最後の売るタイミングなのかもしれない。
今を逃せば中国かアメリカでキャリアの余生をおくるまでマドリーに残ることになるだろう。
ペレスは売るタイミングを間違えない。クラブを維持・発展させるためならロナウドでも放出する。「ロナウドが残る?彼には契約がある」と発言したのをみてペレスの方針がブレることはないと確信した。
ーロナウドが去る可能性は高いー
選手寿命、能力、ブランド、財政、クラブポリシー、ペレス会長、マーケティングの観点から総合して、ロナウドは移籍することになりそう。
ロナウドは本心では残りたいと間違いなく思っているだろう。カピタンが言ったとおり、レアルマドリードより良い場所は世界中どこにもない。
残るならロナウド側が交渉で折れるしかない。ペレスら経営陣が譲歩することはまずない。断言できる。バルセロナはメッシの年俸を人件費バランスを崩してでも引き上げたが、クラブのポリシー、財政を脅かすような要求は誰であれ絶対に受け入れない。マケレレやディマリアはそれで去った。選手よりクラブ、マドリーでは他のクラブより徹底されている。
しかし、彼の発言、メディアにでるニュースを見る限り、今のところロナウド側が折れることはなさそうだ。ワールドカップ前に移籍先まで決まることはないだろうが、マドリーから移籍することで合意することはありえる。
ジダンが去り、ロナウドまでアディオスになるとマドリディスタとしては寂しい気持ちになるが、いつかサイクルは終わる。
18/19シーズンは新しい歴史が始まるのだろうか。
新しい象徴は噂の彼になるだろうか?
楽しみだ。
THE REAL MADRID WAY レアル・マドリードの流儀
- 作者: スティーヴン・G・マンディス,酒井浩之,喜多直子
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