レアルマドリード情報

世界一偉大なクラブ、レアルマドリードについて書いています

ロペテギの幸運

Florentino Perez

危機の理由

セビージャにアウェイで0ー3で完敗、次の試合アトレティコには引き分けたものの、CLではCSKAに敗れ、アラベス、今日のベルナベウでのレバンテに敗れ3連敗と歯車は完全に狂っている。原因は複合的だろう。

1.主力に負傷者が続出

イスコが虫垂炎で離脱して以降、マルセロ、ベイル、カルバハル、ベンゼマと立て続けに怪我で離脱した。これだけ主力がいないと安定したパフォーマンスを披露するのは難しい

 2. コンディションが整っていない

ワールドカップで120%の戦いを繰り広げ激しい消耗をした。特にモドリッチ、バランは決勝まで戦いバカンスが短く、プレシーズン抜きなのでコンディションが良くない。心配なのはモドリッチ。昨年までのプレーレベルとは程遠い低調なパフォーマンスであり、モチベーションも低下しているように見受けられる。

3.ロナウドの離脱

1試合に1得点以上を決めてくれた選手がいない影響を痛感する。得点だけでなくメンタル面でもチームを鼓舞してきた中心選手だった。

4.フロントの無策

フロレンティーノペレス会長は絶大な権力を有しており、彼の一言で組織運営が決まっている。監督はペレスからの支持がなければ円滑なチーム運営ができず結果の有無に関係なく追い出される。選手も同様だ。ロナウドがユベントスに移籍したのもペレスとの関係が破綻しただめたと言われている。ビジネスマンとしては優秀だがサッカーは素人。そのような人物が誰を獲得するか決定するのはリスク。ロナウドの後釜を獲得せず18歳のビニシウスで失策を覆い隠そうとした「政治的判断」のツケがロペテギと選手たちにのしかかっている。

5.マンネリ化

アンチェロッティ時代から主力はほぼ同じメンツである。ジダンは何とかマネジメントして乗り越えたが、モチベーションの低下は否めない。競争を促せてない。

ロペテギは危機だが…

ロペテギは選手たちをコントロールできている。外に不満は漏れておらず、レバンテ戦後のインタビューでもマルセロは「彼と一蓮托生。ベニテスとは違う」と支持する発言をしている。

マドリーの監督に求められる最も重要な能力は、選手をまとめ気持ちよくプレーさせることだ。ロペテギはその能力を有している。ロナウドが離脱してからポゼッションを重視し、チーム全体でゴールを狙う戦略も的確な判断だ。

ジダンのときも悪い時期はあったが騙し騙し結果を出せてきた。ロペテギは不運としかいいようがない。「不運の監督」と言われるのも合点がいく。

解任されてもおかしくない状況だが幸運もある。

バルセロナ、アトレティコもパフォーマンスが安定していない。これだけ負けていながらも首位のバルセロナと4Pとしか離されていない。ワールドカップ後のシーズンなのが影響しているのだろう。とにかく運がいい。

スペイン国外を見渡しても、バイエルン、ユナイテッド、トッテナム、シティとビッククラブは軒並みパフォーマンスが安定していない。安定しているのはリバプールとユベントスくらいだろう。

また、危機がシーズン終盤ではなく10月なのも運がいい。序盤でこれだけ躓けば後は上がっていくだけだ。

そして1週間後のクラシコもメッシが出場できないことが確定した。ファンにとっては楽しみは減ってしまうがロペテギにとっては幸運としかいいようがない。

火曜日のCLも苦戦するだろう。クラシコまで監督でいられる保証はない。CLは何でもいいから勝って、クラシコで危機を脱出してもらいたい。クラシコは絶好のチャンスだ。

ワールドカップ直前にスペイン代表監督の椅子を捨ててマドリーの監督になったわけだから、何としてでも生き残ってくれ。

ロペテギに勝利の女神を。

bad fortunes