レアルマドリード情報

世界一偉大なクラブ、レアルマドリードについて書いています

ペレス辞任と放出

ラ・レアルにベルナベウで完敗

 

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希望は18歳のViniciusだけだった。チームの中核を担う選手たちが自分たちで変えることのできない状況であることは如実に伝わってきた。ロナウド&ジダンが去り、CL3連覇を果たした骨格は変えなかったツケが試合に現れている。

開始早々にカンテラーノのウイリアン・ジョゼにPKを決められ、何らかのアクションをみせるのかと思いきやVinicius以外はどうプレーしていいのかわからずピッチ内を右往左往しているだけ。監督ソラーリも苦境に対しての手立てがわかっていないようだった。

後半に入ってからも同じ展開が続き、ルーカス・バスケツが退場してからは意気消沈して時間が過ぎるのを待つだけだった。

ラ・レアルとの試合でわかったことは、抜本的な変化が必要なことだ。公式にマンチェスター・シティーからブラヒム・ディアスが移籍することが発表されていたが、19歳の選手1人ですべてを変えることはできない。

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ディアスの加入は短期的ではなく長期的な戦略に基づいているので、現状を打破する手段ではない。では、現状を変える手段とは何か?

フロレンティーノ・ペレス辞任だ。

マドリーブランドの低下

Florentino Perez

ワールドカップで活躍した選手を獲得する。この方針はペレスが会長になってから一貫している。14年にはコロンビア代表ハメス・ロドリゲスとコスタリカ代表ケイラー・ナバスを獲得して大々的にプレゼンテーションしている。

今季のロシアでは、アザール、ムバッペが大活躍したものの、獲得したのはGKのクルトアだけ。アザールはチェルシー側が要求する移籍金が高額だったため、ムバッペはワールドカップ前からマドリーではなくパリでプレーすることを望んで移籍を拒否している。

以前なら移籍金が高額でも強引に獲得しただろうしマドリーがトップターゲットにしている選手が他のクラブに移籍することはなかった。FFPの導入、他クラブの資本増加など彼らがマドリーに来なかった言い訳はいくらでも上げることはできるが、マドリーの魅力が低下していることに原因があると思っている。

ユベントス、パリ、シティー、リバプール、トッテナム、バルセロナ、アトレティコ、チェルシーといったビッククラブたちは1人の権力者に権限が集中しているシステムにはなっていない。例外はパリだが、彼らはカタール国家の巨大資本がバックについているため莫大な金を投資することができる。株式会社とソシオが運営するクラブではパリのような投資をすることは不可能。

マドリーはあらゆる権限が会長に集中しており、例え正しい戦略に基づいて運営されていたとしても会長の一声で180度変わる。マドリディスタだけでなくサッカー好きなら誰もが知っていることである。

近年の成功はペレスが辣腕だったわけではなく、側近と監督がペレスとの関係を円滑にすることができたからだ。側近はホセ・アンヘルGM、監督はアンチェロッティとジダン。ペレスが誤った判断をしたときには彼らが被害を最小限に食い止め的確な組織運営を行ってきた。

ペレスは、ロナウドが退団してもベイルが同じ役目を果たしてくれると考え、彼の代わり(ネイマール、アザール、ムバッペ)たちは世界最高のクラブに来てくれると考えていたのだろう。GMとジダンはわかっていた。ロナウドの代わりはいないしスター選手たちはマドリーに来ないことを。だからこそロナウド放出を最後まで踏み止まらせ、ベイルの放出を強く求めていた。ロナウド放出とジダンが辞任した具体的な経緯は不明だが、ペレスとの対立、決断を思い留まらせることができなかったことは容易に想像ができる。

今シーズンはじめて"Florentino Dimicion"のブーイングがベルナベウに鳴り響いた。マドリーの機関紙であるmarcaは報道していないが、このまま行けばシーズンが終わるころにペレスのクビが飛ぶことは十分に有り得る。アヤックスに負け、ソラーリが解任され、新しい監督になっても負け続け混乱し、最終的に無冠で終わりCL出場権を逃すようなことがあれば間違いなく辞任する。

いくら彼の権力が強くても万の大衆が辞任を求めればその座に居座ることはできない。王が王であり続けるには大衆の支持が不可欠であり、支持を失えば首がはねられ新たな王が玉座に座るのは歴史が証明している。

ペレスが勝つのか、それともパージされるのかは今季が終わるまでに明らかになるだろう。残された時間はそれほど長くない。

選手放出

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ペレスの進退有無にかかわらず来夏には大幅なチーム変更が行われることは確実だ。誰が放出されてもおかしくないし、ロナウドに変わる新たなスターが必要なことは明白だ。

放出の予想は以下の通り

◯放出

GK カシージャ ルカ

DF バジェホ ナチョ オドリオソラ 

MF モドリッチ セバージョス イスコ

FW ベイル マリアーノ バスケス

GKの変更はないだろう。クルトアが加入しているしナバスはプレー面、メンタル面からも重要な選手。クルトアは好きなGKではないのでデヘア、ケパのほうが好みだがクルトアとナバスの体制が現実的。

DFはマルセロ、ラモス、カルバハルといった重鎮たちの放出も場合によってはある。とくにマルセロは低調なプレーが続いておりモチベーションの低下が顕著なため放出されても不思議ではない。カピタンはチームに与える影響が大きいためどう扱うかは不透明。シーズンが終わってから評価される。

MFは順当かと。モドリッチは明らかにモチベーションを欠きプレーが低調だ。セバージョスはマドリーの求めるレベルにない。イスコもロペテギが解任されて以降モチベーションが低下しており新たなチームで輝きを取り戻すほうがいいと思う。好きな選手なだけに残ってもらいたいが…。クロース、カセミロはシーズン終了後の評価、バルベルデは有望な選手なので来シーズンは飛躍しそう。

FWはベイル放出は120%。マドリディスタで彼のことを評価する人がいるのだろうか?ペレスの寵愛があるから残れるだけで本来ならもっと早く放出されるべき選手だ。高額の移籍金と年俸に見合った選手ではない。一刻も早く母国に戻ってもらいたい。残念ながらマリアーノはマドリーでプレーできるレベルにはなかった。バスケスは1番手ではなく控えで途中出場してこそ輝く選手なので、新たな血が必要なチームには不要かと。Viniciusはラ・レアルとの試合でみせたプレーを続ければ来シーズンは飛躍しそう。ベンゼマは技術的に世界最高のプレーを披露しているし接着剤の役割を任せれば世界一の選手なのでロナウドのような選手が獲得できれば残るだろう。もしスター選手が来なければ去ることになりそう。

ベルナベウの来場人数をみれば分かる通り、今シーズンはもう終わっている。無冠で終わるだろうしソラーリが続投することもない。ペレスの進退も不透明。アンチェロッティ&ジダンが構築した黄金時代は終わりを告げた。選手たちは新たなモチベーションを必要としており我々マドリディスタも新しい興奮を必要としている。

今起こっているのは常にタイトルと勝利を求められるマドリーの宿命であり、他のスモールチームでは起きない。

今シーズンが終わるまで何が起こっても不思議ではない状況になっている。冬にスター選手がやってくる可能性も否定できない、新たな監督になることもありうる、中核選手たちが放出されるかもしれない。

黄金期から新たな時代の産みの苦しみと思えばこの状況を楽しむことはできる。

 

ディープスロート 内部情報が語るレアル・マドリー

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