2000-01シーズンと似ている
クライシスにいるマドリー。マドリディスタとしてもガッカリする試合が続き状況の好転を望んでいる。ネガティブなニュースばかりが続くのでポジティブな情報はないかと探してみたらあった!同じような苦境にありながらも好転したシーズンが。
2000−01シーズン。
フィーゴがバルセロナから移籍してきた年、ガラクティコス最初のシーズンです。このシーズンはリーガで優勝しているわけだが、序盤は勝てずに苦労している。
※参照wikipedia
Primera División de España 2000-01 - Wikipedia, la enciclopedia libre
ご覧の通り、序盤は結果が出ずに9節時点で7位にまで転落している。10節からは盛り返し、14節で初の首位。その後は首位をキープしたまま優勝している。
今はどうでしょう。9節を終えた時点で7位。まったく同じ順位。しかも当時の監督はスペイン人デルボスケ!デルボスケは人心掌握に長けていた。フィーゴが移籍して新しいバランスを求められたから序盤は躓いた。ロペテギもチームをまとめていながらも結果が出ず、ロナウドが去って新しいスタイルに挑戦していることも同じ。
調べてデルボスケのときとまったく同じ状況なのに驚いたのと同時に、ワクワクしてきた。歴史は繰り返すという格言通りになるかも・・・という期待だ。
CLを挟んで10節はクラシコ。最高のシチュエーションじゃないですか。
CLでいい試合をしてクラシコで復活する。地獄から天国へ。楽しみがでてきた。
ロペテギの幸運
危機の理由
セビージャにアウェイで0ー3で完敗、次の試合アトレティコには引き分けたものの、CLではCSKAに敗れ、アラベス、今日のベルナベウでのレバンテに敗れ3連敗と歯車は完全に狂っている。原因は複合的だろう。
1.主力に負傷者が続出
イスコが虫垂炎で離脱して以降、マルセロ、ベイル、カルバハル、ベンゼマと立て続けに怪我で離脱した。これだけ主力がいないと安定したパフォーマンスを披露するのは難しい
2. コンディションが整っていない
ワールドカップで120%の戦いを繰り広げ激しい消耗をした。特にモドリッチ、バランは決勝まで戦いバカンスが短く、プレシーズン抜きなのでコンディションが良くない。心配なのはモドリッチ。昨年までのプレーレベルとは程遠い低調なパフォーマンスであり、モチベーションも低下しているように見受けられる。
3.ロナウドの離脱
1試合に1得点以上を決めてくれた選手がいない影響を痛感する。得点だけでなくメンタル面でもチームを鼓舞してきた中心選手だった。
4.フロントの無策
フロレンティーノペレス会長は絶大な権力を有しており、彼の一言で組織運営が決まっている。監督はペレスからの支持がなければ円滑なチーム運営ができず結果の有無に関係なく追い出される。選手も同様だ。ロナウドがユベントスに移籍したのもペレスとの関係が破綻しただめたと言われている。ビジネスマンとしては優秀だがサッカーは素人。そのような人物が誰を獲得するか決定するのはリスク。ロナウドの後釜を獲得せず18歳のビニシウスで失策を覆い隠そうとした「政治的判断」のツケがロペテギと選手たちにのしかかっている。
5.マンネリ化
アンチェロッティ時代から主力はほぼ同じメンツである。ジダンは何とかマネジメントして乗り越えたが、モチベーションの低下は否めない。競争を促せてない。
ロペテギは危機だが…
ロペテギは選手たちをコントロールできている。外に不満は漏れておらず、レバンテ戦後のインタビューでもマルセロは「彼と一蓮托生。ベニテスとは違う」と支持する発言をしている。
マドリーの監督に求められる最も重要な能力は、選手をまとめ気持ちよくプレーさせることだ。ロペテギはその能力を有している。ロナウドが離脱してからポゼッションを重視し、チーム全体でゴールを狙う戦略も的確な判断だ。
ジダンのときも悪い時期はあったが騙し騙し結果を出せてきた。ロペテギは不運としかいいようがない。「不運の監督」と言われるのも合点がいく。
解任されてもおかしくない状況だが幸運もある。
バルセロナ、アトレティコもパフォーマンスが安定していない。これだけ負けていながらも首位のバルセロナと4Pとしか離されていない。ワールドカップ後のシーズンなのが影響しているのだろう。とにかく運がいい。
スペイン国外を見渡しても、バイエルン、ユナイテッド、トッテナム、シティとビッククラブは軒並みパフォーマンスが安定していない。安定しているのはリバプールとユベントスくらいだろう。
また、危機がシーズン終盤ではなく10月なのも運がいい。序盤でこれだけ躓けば後は上がっていくだけだ。
そして1週間後のクラシコもメッシが出場できないことが確定した。ファンにとっては楽しみは減ってしまうがロペテギにとっては幸運としかいいようがない。
火曜日のCLも苦戦するだろう。クラシコまで監督でいられる保証はない。CLは何でもいいから勝って、クラシコで危機を脱出してもらいたい。クラシコは絶好のチャンスだ。
ワールドカップ直前にスペイン代表監督の椅子を捨ててマドリーの監督になったわけだから、何としてでも生き残ってくれ。
ロペテギに勝利の女神を。
補強に関する訂正
爆弾が投下される
今季は「ガラクティコスからチームワークへと」新たなスターの補強はないだろうと推察していた。過去数年の成功を踏襲するとペレスが明言したうえに、市場にロナウドと同じような力を持つ選手がいないためだ。また、各種移籍の噂をチェックするとゴシップの域をでない情報ばかりだったのも理由の一つだ。
しかし、31日の市場が閉まるまでに爆弾が投下される可能性が高くなってきた。昨今の表に出てくる情報がマドリー内部からのリークである疑いが強いためだ。
獲得するのは、パリの2人。ムバッペかネイマール。
UEFAのパリのFFP再調査はマドリーを含むビッククラブのエスタブリッシュメントがプレッシャーをかけたためだろう。パリがビッククラブたちが築いてきた伝統と規範を逸脱し、天文学的な金を市場に投下していることに強い危機感を抱いている。
ネイマール移籍はポール・ポグバの移籍金を一気1億ユーロも越えてしまい、移籍金の高騰を招いた。
政治的駆け引きとなるので50%50%だが、パリがFFP違反となればヨーロッパのエスタブリッシュメントの強さが証明され、お咎めなければ、カタール王族のプレゼンスはさらに高まることになる。
ペレスの希望通りUEFAが決断すれば、パリはムバッペからネイマールのどちらかを手放すことになるのは間違いない。
ひょっとしたら2人とも来るという超弩級の爆弾が投下されることも否定できない。
31日まで目が離せない。
継続路線と大きな変更
9番の補強とコバチッチの穴埋め
アトレティコに負けた。00年から決勝では一度も負けたことがない記録が破られた。決勝で負ける姿をみたことなかったのでショックだ。
前半の内容は今季を期待させるようなハイパフォーマンスを披露してくれた。とくにベイル、ベンゼマはロナウドがいなくなったので、活き活きとプレーをして「自分が主役になって得点を決めるぞ」という気概を強く感じることができた。
後半はマドリーだけでなくアトレティコもパフォーマンスが低下したが、シーズン開幕前なので当然のこと。マドリーは良質なポゼッションができず四苦八苦していた。カセミロが退いてからは攻守のバランスが崩れ、アトレティコに好き放題されてしまった。同点弾と3点目は完全に守備を崩されており、カセミロの重要性とアトレティコの今季の飛躍を感じた。
ロペテギは試合後、「負けたからといって何かしらの変更があるとは思えない」と発言しており、ペレスら経営陣にこれ以上の補強をするポリシーがないことを示唆した。
この発言は裏を返せば補強を求めているということだ。asにも同様の記事があった。
9番とコバチッチが抜けたMFを求めていることは明白だろう。
レバンドフスキ、イカルディ、ロドリゴ・・・と名前は挙がっているがどれも現実的なオプションではないだろう。イングランドは市場が閉まり、イタリアも17日で閉鎖となるので各クラブとも放出する可能性は低い。ロドリゴは移籍金が8000万€と高額なため動くことはないだろう。
昨年の活躍と現実的なオプションでいえば、リヨンのマリアーノになる。
マドリディスタならご存知の通り、2年前はトップチームで活躍したカンテラーノだ。昨年はリーグアンで18ゴールの成績を収め、9番タイプなのでベンゼマの控えとしては申し分ない。マリアーノ自身もTwitterでasの"マリアーノはベンゼマの控えを望まない"を引用して、「マドリーの誘いには断れない」と記事を否定しているため、オファーがあればすぐに移籍は決まるだろう。
ボルハ・マジョラルは残念ながらトップチームで生き残るだけのポテンシャルはない。マドリーを出て違うチームでプレーしてもらいたい。
コバチッチの代わりはカンテラーノになりそうだ。
ウルグアイ人のバルベルデが穴を埋めることになる。プレシーズンでいいプレーを披露していた。どれくらいできるかわからないが、カセミロのポジションを奪うくらいのプレーをみせてもらいたい。
マドリー攻撃への比重が高く個人で守備をカバーしないといけないので、求められる能力がハイレベルで難しい。カセミロと同じような能力を持つ選手はカンテくらいしかいないので、内部に解決策を求めるのは間違っていないと思われる。
何かしらの変更は必要
アトレティコに負けてわかったのは
- ロペテギは良い仕事をしていること
- 何かしらの大きな変更がいること
この2点だ。
誰が監督になってもジダンが築いた黄金期を継続するのが難しいことは最初からわかっていた。ロペテギは消去法で選ばれたが、非常に良い仕事をしている。プレシーズンから選手からの信頼を得ているのがわかるし、ロナウドが抜けた穴を埋めるため、ボールを保持して、攻守の切り替えを早くするコンセプトをすでに選手たちに落とし込んでいる。アトレティコに4点も取られ負けたことで彼への信頼が揺らぐことはない。
基本的な路線は継続すべきだが、何かしらの変更は必要だ。普通のチームには今のままでも勝てるが、アトレティコやバルサと戦って勝つのは難しい。全部をいじって変えるのではなく、アンチェロッティが攻撃のときは4−3−3で守備のときは4−4−2へスライドさせたような戦術的な何か。
試合後の記者会見でロペテギも何かしらの変化が必要なことは発言していたため、これから変化をみることができるだろう。
それが大型補強による変更なのか戦術的な変更なのかはマーケットが閉まるまでわからないが、ペレスが数シーズンの成功を継続すると明確に言っているので補強による変更はないだろう。
厳しい船出となったが、この敗戦を糧に前へ進んでもらいたい。そして、シーズンが終わるときにはジダンとロナウドがいたころより魅力的で成功したマドリーになることを願っている。
スーパカップの勝敗で補強が決まる
アトレティコとのデルビ
日本時間の明日4時、エストニアのタリンで今季初の公式戦が始まる。相手は同じ首都にあるアトレティコ。場所を変えてのデルビとなる。
ジダンとロナウドが抜け、ロペテギが就任してまだ1ヶ月だが、新チームのポテンシャルを試す絶好の試合になることは間違いない。各選手とも「やっぱりロナウドがいないとマドリーは勝てない」と思われたくないだろうから、モチベーションは高い。特に、ロペテギから新しいエースとされたベイルは気合十分だろう。楽しみだ。
プレシーズンのユナイテッド、ユベントス、ローマ、ベルナベウでのミランをみると、試合を重ねるごとに選手のコンディションは上がっており、ボールを保有し攻守の切り替えを早くするコンセプトは浸透しているようにみえた。セバージョス、アセンシオ、ビニシウスといった若い選手たちも必至にアピールして印象的なプレーを披露してくれていた。
ジダンが辞任してからは、今シーズンのマドリーはタイトル無冠で終わる可能性が高いと考えたが、昨年より選手たちの高いモチベーションが映像を通じてでも伝わり監督と選手の一体感を感じることができるので期待が日に日に高まっている。
負ければ補強に動く
移籍市場が閉まるまで約2週間はある。スーパーカップの結果次第で補強戦略は変わってくるだろう。
勝てば補強はなくこのままシーズンをむかえる。モドリッチの去就が騒がれているが、数シーズン前のカピタンと同じく年俸の釣り上げを狙っている可能性が高いので出ていくことはない。
負けた場合は違ってくる。9番の補強は現実的になり、中盤の補強も考えられる。ロペテギがペレスに補強のリクエストをせずとも、ペレスは独断で動く。そこで両者に軋轢が生まれベニテスのように半年で解任される可能性は現実的になる。
まだ選手のコンディションや戦術は整っていなくても、重要な試合で負けると一気に転落するのがマドリーだ。リーガとCLは始まっていないが、黄金期を築き上げた2人のレジェンドが去ってから初めてのタイトルがかかった戦いなだけに例年より重要度は増している。
予想スタメンは、4−3−3
GK ケイロル・ナバス
DF カルバハル カピタン ナチョ レギロン
MF クロース イスコ セバージョス
FW ベイル アセンシオ ベンゼマ
マルセロ、モドリッチ、バラン、カセミロは合流が遅れたためコンディションを重視したメンバーになると予想。カセミロだけは少し早く合流したのでスタメンに選ばれるかもしれない。
話題のGKはナバス一択。クルトアは合流して間もないのでまだ選ばれないだろう。
さあ、明日の朝は応援しよう!
HALA MADRID! Y NADA MAS
ガラクティコスからチームワークへ
現有戦力の維持と継続
今夏はワールドカップが開催された影響で、移籍市場は停滞していた。ようやくワールドカップが終わってから動き出した感がある。
7月27日現在、マドリーの移籍市場での動きは穏やかだ。放出されたのは、ハキミとロナウド。新加入は、ルニンとオドリオソラ、ビニシウスとなっている。
ロナウドの後釜としてアザールの移籍交渉がチェルシーと行われているが、チェルシーは2億€の移籍金を求めているのに対し、マドリーは1億3000万€以上の提示はなされておらず、交渉は進んでいない。
マドリーは2億€もの移籍金を払うことはまずない。ペレスは新加入選手たちのプレゼンテーションで、移籍市場の変化と過去数年の成功した路線を継続することをマドリディスタに明らかにしている。
もちろんペレスは必要とあらば多額の移籍金を支払ってでも獲得するだろうが、クラブの財政と経済的安定を揺るがすような出費をすることはない。
ジダンが監督の最終年の市場ではベイルを放出してムバッペを獲得するべく、1億8000万€をモナコに提示したそうだが、選手本人はPSGを選択したため実現しなかった。
ペレスとしては、アザールに2億€もの価値はないと判断しているのだろう。確かに、ロナウドを1億€で放出して、彼のような能力がない選手に倍の移籍金を支払うのは間違った判断だ。
ロナウドの代わりはいないが、近い存在はキリアン・ムバッペしかいない。ムバッペがマドリーへ移籍する意思があればためらわず2億€以上をパリへ払うだろう。
「成功したチームは変えない」のが組織運営の鉄則だ。チームの骨格を変えずに少しずつ世代交代を行い、若手有望株を青田買いして、育てる方針はタイトル獲得の有無に関わらず続くと思われる。
チームになれば勝利でき財政も拡大する
第一次ペレス時代は、毎年大物選手を獲得してチームに刺激を入れ、世界的な名声と財政の拡大を行ってきた。ベッカム獲得するまではタイトルと財政の双方を成功できたが、過度なスタープレーヤーへの依存はチームバランスを崩し、タイトル獲得ができなくなった。
09年に会長職に復帰したペレスは、初年度のロナウド、カカ、ベンゼマといきなり3選手もの大物選手を獲得した。ペジェグリーニ、モウリーニョと4年間でリーガとコパのタイトルしか獲得できず、再び第一次政権のときと同じ過ちを繰り返すかに思われた。
しかし、アンチェロッティが就任した1年目でコパと悲願のLa Decimaのダブルタイトルを獲得したことで少しずつ戦略は変わっていった。
2年目はチームのバランサーであったアロンソとディマリアを放出して、クロースとハメス・ロドリゲスの攻撃的選手を獲得した。クラブワールドカップまでは連勝を重ねうまくいっていたが、後半失速してタイトル獲得はできずに終わった。
ここでマドリーの首脳陣は気づいたのだろう。タイトルを獲得するためにはスター選手だけではダメだと。
アンチェロッティは解任され、ベニテスがやってきた。ここで、大物選手は獲得せず、ルーカス・バスケッツ、コバチッチ、ポルトで活躍したカセミロといった走れて守れチームに貢献できる選手たちを獲得した。
ベニテスはチームをまとめることができず半年で去ることになったが、大物を獲得せずチームに貢献できるタイプの選手を獲得したことは移籍市場での方針変更となるターニングポイントであった。
そしてジダンが就任してCL3連覇を達成した。ジダンはチームをいじることはせず、アンチェロッティとベニテスが残した遺産で勝ちまくりタイトルを獲得した。
タイトルを獲得したことが全てではないが、総予算は6億€まで拡大し、規模は年々拡大している。
20年前と違いマーケティングのためだけにチーム運営を行うことはマイナスでしかない。いつでもどこでも安く世界各国のサッカーが観れる時代に、スター選手が並んでも負けるようではファンは離れていく。
ガラクティコスの時代は終わった。
ビニシウスやルニン、カンテラーノたちを育てチームとしてタイトルを獲得する戦略はマドリーを成功に導くかはこれからわかる。アセンシオがビックネームへ進化している最中なのでまずは彼が試金石となるだろう。
今季のマドリーはより組織的なチームになる。
メンデスの影響力とピントゥス残留
ロナウドは正式にユベントスへ
ロナウドは正式に9年間在籍したレアルマドリードを去り、イタリア随一のブッククラブユベントスへ移籍することになった。
マドリーの公式サイトでは大体的にロナウドへの感謝を伝え、ロナウドもマドリディスタへ別れの手紙を残している。
ビデオは感動的にまとめられロナウドの手紙も感謝の気持ちが綴られている。ペレスとロナウドの間には決定的な溝ができていたと言われているが、そういうことはお互い公にせず双方のメンツを保った別れとなったのが印象的。
マドリディスタとしては感謝しかない。ロナウドがいなければCL3連覇はなかった。新天地でも活躍するだろうが、マドリーとの試合だけは眠っていて欲しい。
ありがとう、ロナウド!
ロペテギへの疑念
さて、新シーズンまであと1ヶ月となった。オドリオソラの加入とアークラフ・ハキミのドルトムント移籍が公式に発表され、移籍の噂話も活況を呈している。
移籍の噂で気になるニュースが飛び込んできた。ハメス・ロドリゲスの再加入とロドリゴ獲得の噂だ。
まずハメスから。
マルカでハメスがマドリー復帰を望むとある。バイエルンとの関係から一筋縄ではいかないそうだが、ロペテギも高く評価しており、マドリーへの帰還の噂が現実になる可能性はまんざらでもなさそうだ。
ジダン体制下では冷遇されベンチ要員となり、ネガティブな話題が目立ったが、バイエルンへレンタルされると前半は停滞したが、ハインケスへ監督交代してからは躍動してチームに欠かせない戦力となった。CL準決勝2legでベルナベウでみせたパフォーマンスは印象的でゴールも決めたことでマドリディスタへのアピールとなった。
ワールドカップでは活躍できなかったが、マドリーでの活躍できるだけの実力は十分にある。
次はロドリゴ
アンチェロッティがナポリの監督に就任したことでベンゼマがナポリに移籍する可能性を考慮して、ロペテギがロドリゴを望んでいるという噂。
彼はカンテラ出身なため、UEFAの下部組織がチームに一定数必要なルールを満たすうえ、マドリーのアイデンティティは教える必要がない。バレンシアでも昨季活躍し、スペイン代表にも登録されたので旬の選手といえる。
ハメスとロドリゴ、ロナウドが移籍して数日後に噂された両者の代理人はメンデス。
サッカーファンで彼の存在を知らない人はいないだろう。ライオラと並んで世界で最も有名な代理人だ。メンデスは多数の有名な顧客を抱え、最も有名な顧客はロナウドとモウリーニョ。そして、新監督ロペテギの代理人でもある。
ロペテギはポルトガルのポルトの監督をした経歴がある。選手としても監督してもパッとしない経歴だったロペテギがポルトの監督になれたのはメンデスのお陰で、メンデスなしではスペイン代表の監督になることもできなかったそうだ。
メンデスはバレンシアの会長でシンガポール人のピーターリムと仕事をして、バレンシアの放出・補強を裏から牛耳っていた。リム政権下の初代監督、ヌーノはメンデスの顧客で新加入した選手のほとんどはメンデスが代理人を務めていた。
このような経緯から、自ら利益を得るためにロペテギを裏で操作しマドリーの補強へコミットしているのではないかというのは疑念を抱かずにはいられない。
ジダンがペレスですら予想していなかった辞任をし、新監督を早急に決めたいマドリーへロペテギを就任させ、ロナウドのユベントスへ移籍で手数料を稼ぎ、その後すぐに顧客であるハメスとロドリゴの噂をマルカとアスで報道させる。メンデスが中心にいることは明白だろう。
ハメスはマドリーでやれる実力はあっても、一度ローンで放出された選手が若手有望株以外で出戻りしたケースはない。ロドリゴに関してはマドリーでレギュラーで活躍できる選手だとは誰も思いまい。ましてやベンゼマの代わりを務めるのはまず不可能だ。
以上のことからメンデスの影響を強く感じずにはいられない。ロペテギがメンデスに強い恩義を感じていることも自らの補強リストではなくメンデスが望む補強リストを、ペレスに提出している可能性は否定できない。
モウリーニョが失敗したのはメンデスがドレッシングルームにまで入り、影響力を行使したことが原因の一つとされている。カシージャスとラモスはペレスにメンデスの出入り禁止を要求していたくらいだ。
ロペテギ体制で同じ過ちが繰り返されないことを祈るのみだ。
この疑念は移籍市場で誰が去り、誰が加入したかでわかるだろう。今のところ選手のなかにメンデスの顧客はいない。
明るい光、ピントゥスの残留
ジダンとロナウドが去り明るいニュースが少ないマドリーだが、フィジカルコーチのアントニオ・ピントゥスの残留はポジティブだ。
ロペテギはジダンが成功した要員としてピントゥスを挙げておりクラブへ残留を求めていた。GKコーチのリョピスも同様に残留を求めていたそうだが、ソシエダに行ってしまった。
両名を失わず、ピントゥスだけでも残ったのは大きい。CL3連覇したチーム状況とフィジカルの状態まで把握していた彼が残ったのはロペテギが成功するための鍵となるだろう。また、セラピストのハビエル・マージョも残留している。
選手の移籍はネガティブな話題が先行しているが、コーチはポジティブなので、プレシーズンに良質なトレーニングができるかどうかチェックしたい。
ロナウドショックでなかなか新シーズンへ期待より不安がよぎるマドリー。ネイマール、ムバッペ、アザール、ケイン、いずれか一人は加入することになる。もし誰も加入せずオペレーションが失敗した場合、ロペテギの成功は難しくなり、ジダンを予期せぬ辞任で失い、絶対的アイドルであったロナウドを放出したペレスへ飛び火する。そうなれば会長の椅子は即座に飛んで行く。
ジダンとロナウドを放出した代償はリーガかCL4連覇以外あるまい。今季は結果が残せなければ監督だけでなく、ペレスの時代は終焉となるだろう。ペレスよりのマルカですら擁護はしまい。
すでにマドリディスタからは厳しい目がむけられている。